■はじめに
もう上級者なんだけど…て方向けにFS論的な文章を書いてみました。
以下の文章が絶対に正しい事なんだ!なんて事は言いません。ただ、正しいと思って書いてます。当たり前のことですが。
FSを評価する、作るうえで、ひとつの基準になったらいいなと思います。
それと、文章を書くことに自信が無いので読みづらいかもしれません。ごめんなさい。



■2種類のFS
現在のペン回し界には、競技的なFSと芸術的なFSが存在します。
でまずは競技的なFSと芸術的なFSとはなにか、から簡単に説明。


競技的なFS…WCのFSなんかがわかりやすいかな。大技、ネタ技などをどんどん入れるFSで、
難易度や発想力の視点で見たときに評価が高いFSのこと、その視点で評価されることを目的としたFS。
また、古いFSは難易度が低いなどの理由から評価が低くなっていく。(あの時代であの難易度はすごい等は別)


芸術的なFS…流れ、構成、などの視点で見た場合に評価が高いFS、その視点で評価されることを目的としたFS。
また、古いFSでも評価は変わらない。


この二つのどちらが良いか悪いかとかいう話はしません。
同じペン回しでも全く別のジャンルだからです。
競技的なFSは技術的な開拓の楽しみがあって、芸術的なFSは組み立てる楽しみがあります。
それと芸術的なFSは海外では理解を得るのが難しいらしいです。
構成や流れとかがわかりにくいみたい。
逆に日本だと芸術的なFSのほうが流行ってるっぽいです。(2009年12月現在)
ただ、しっかりとした芸術視点での評価ができない人が多いのでペン回し自体の発展が難しくなってきてます。
競技的なFSはすごい!うまい!とかで良いので、わかりやすい上に技術のみなので発展しやすいんですけども。
日本は両方の基準で見てるので身動きが取れない状態なんですよね。これについては後で書きます。
それでは評価基準について




■評価基準
競技的なFS
…難易度、技の独創性、技の完成度が重視されているので、
どのぐらい難しい技が入っているか、どのくらい新しい技が入っているか、不安定ではないか。というのが基準になります。
ペン回しをある程度やっている人なら難易度、独創性、技の完成度はとてもわかりやすい基準だと思います。


芸術的なFS…技の完成度、流れ、構成力、センス等が重視されています。といっても、よく使われる割に人によってこの言葉の定義にかなりぶれがあるのと、それぞれの評価が曖昧なものなので評価がかなり分かれてます。というわけで、自分の定義と評価のしかたについて書いていこうと思います。



■芸術的なFSを評価するうえで
評価基準とその定義。

技の完成度…技単体の美しさ。唯一、競技的なFSと同じ評価基準。(美しい円軌道が描けているか等)

流れ
…美しい流れかどうか。感覚的な基準ではあるけど、人には美しいと感じる流れや不快だと感じる流れが存在する。
これは慣れである程度鍛えることができる。(ここの流れがいいね等)

構成力
…FSを組み立てる力。流れを考慮した技の配置による工夫。(締めのインパクトを強くする構成になっている等)

センス…要はダサいかイケてるか。技やコンボ、FS終えた後の動作、手の形、背景、ペン、照明等、格好良いかどうか。

完成度…総合評価。全体として完成されているか。(完成度高いな等)

技の完成度はわかりやすいですけど、流れについては慣れないとわからない人も多いかもしれません。
流れというのを意識してFSを見ていれば身についてく気がします。
構成力も流れの理解が前提なので難しいです。
センスは言葉としては分かりやすいですけど感覚なので難しい人も居るかも。ペン回ししてない人のほうが鋭かったりします。
完成度はそのまんまですね、一気に評価したいときとか便利。
このままじゃちょっとわかりづらいと思うので、良いFSと悪いFSについても。



■芸術的にみた場合の、良いFS、悪いFS
とりあえずこれを見てください。動画は右クリ→対象をファイルに保存で開けます。
動画1
動画2

どちらが芸術的に良いFSだと思いましたか?
すこし考えて良いと思うほうを選んでみてください。


答えは出ましたか?





正解はこちら↓
2が良いFSです。
1が良い!なんて思った方は致命的なレベルでセンスがないです。頑張って鍛えましょう。
独創的ではありますがそんなものはいらんのです。

何が悪いかわかりにくい方もいると思うので解説しておきます。

では1の駄目なところから。
静止の使い方が最悪で構成等なにも考えないで止めてます。自信満々のやってやったぜ感がすごくダサいですね、ダサいのに気づいてないのでこんなことになってます。
次にペンの配色が気持ち悪い。センス無いです。
背景にフィギュアとか漫画とか意味ありげに置いてあって、なんか気持ち悪い。メインはペン回しだろうが!ネタならいいですけど。
極めつけはダサい決めポーズ。かなりセンスがある人がやらないと決めポーズはダサいです。
ペン回しをずっとやってきて忘れてる方が居るかもしれませんがはじめて bビシッ を見たときどう思いましたか?
自分はすごい笑いました。この辺は友達に見せてみるといいかもしれません。ダサいかどうか聞いてみてください。多分かっこいいと言ってくれる人は居ないでしょう。
マウスのほうに持っていくか、ペンを軽くまわしながら持ってくか、素直に置くか。それがCoolです。
ただ編集者にとっては決めポーズは使えるらしいので、使うかどうかはじっくり考えてみてください。
自分は指示があった場合や、ネタFSの場合に使うようにしてるつもり。

2についてはちょっと格好良く撮ってみた普通のFSです。

悪いFSはだいぶわかったと思いますが、良いFSがなんだかわからない、という人も多いと思うので、
いくつか良いFSを紹介します。



■おすすめFS
わかりやすいように国内のものを選びました。

・PSN2ndのCirさん
実は後半123軸に偏りすぎてる印象を受けるので構成はあまりよくないです。このあたりが彼がこのFSを駄作と言った理由なんでしょうか。
構成はよくないといいましたが、序盤の流れと締めの美しさ、ペンの置き方なにもかも滅茶苦茶格好良いです。センスが飛びぬけてますね。音楽効果も非常に高いと思いますがw
CirさんのFSはコンボの流れと全体のセンスが非常にレベル高いのでそのあたり意識して見てみてください。
PSN2ndは編集もすばらしいのでオススメのCVです。


・SPSL'4thのnekuraさん
1212からしばらく順回転で、12のハーフウィンドミルリバースによるカウンターがそれまでに無い手の形と回転方向の変化が重なって印象が強い、
そこから4バック後のカウンターで順回転に戻りながら122。締めまでの流れが非常に綺麗です。
構成力と技の完成度が非常に高いのがnekuraさんの特徴。
nekuraさんは出すFSにはずれがほとんど無いすごいスピナーなんですけど、SPSL'4thが一番記憶に残ってたので。これより良いFSもたくさん出してるので見てみてください。


・SPSL'4thのOutsider君
序盤の回転方向切り替えながらのコンボが見てて気持ち良い。静止から一転して回転方向を統一して締め。静止から締めまでのコンボが秀逸。
Outsider君は手がかなり綺麗で回し方も綺麗で背景も整っててセンス良いです。
きゃーあうとさんかっこいい。


・SPSL'5thのkey3君
トリにふさわしい超格好良いFS。音楽ともあってますよね。
ダダン!と下りる印象を受けるパスから一気に駆け上ってインパクトのある締め。
締め付近のコンボはスロー再生にするとわかるんですが4ソニひねリバ>>4ムーンウォークソニックリバース>>シザスピとなっていて(多分)
4ソニひねリバから直接つなぐより回転数が多いので余計格好よく見えます。その分難しいんですが。
締め付近のコンボを何度もリピートしてると格好よすぎて死ねます。
背景のパンダがミスマッチですけど、流れ、構成力、センス、完成度、どれも評価の高いFS。


・JapEn4thのkUzu君
誰が見てもすごいと思うFSですよね。
競技的な評価と芸術的な評価両方で見た場合に最も優れているFSなんじゃないでしょうか。
技の完成度がnekuraさん並に高いのに、技自体の難易度も非常に高いです。ものすごい技術力。
序盤の上から下へ、手伏せ→起こしてまた下りまでの流れ、その直後の55のインパクト、ナックルリバース気味のパス、手伏せ4シメソニからの強引なパスコンボからの締め。
内容が異常に濃い、詰め込んだにもかかわらず乱れない美しい流れ。技術力の高さが飛びぬけてるからできるんでしょうね。
複雑で濃い、でもこんなにも乱れていない、美しい。それがこのFSの魅力でしょうか。



■問題
今の日本は競技的、芸術的な視点両方で評価しています。(2009年12月現在)
難易度を重視しているにもかかわらず流れが悪い、構成が悪いなんていってるわけですね。
だから日本でspinnerpeemのようなFSを組もうとする人がなかなか出てこないんです。せっかく頑張っても構成力が無い等と言われ、評価されにくいから。
両方の視点で評価した場合、JapEn4thのkUzu君以上のFSはもうでてこないんじゃないかと思います。(あれ以上詰め込むと流れや構成等が悪くなる)
つまりもうその評価基準では発展が望めないわけです。古いんです。
どちらか一方で評価しましょう。
競技的なFSを目指す方がいたら素直に技術を評価しましょう。難易度の高い大技はすごいんです。
構成力ないから駄目等といわないように。
逆に芸術的なFSを目指す方に難易度低いから駄目なんて言わないように。難易度なんてたいした問題ではないです。



■終わりに
ここまで読んでくださってありがとうございました。
どうでしょうか、参考になるようなものが書けていたら嬉しいです。
人のFSを評価する際にある程度評価基準をまとめておくことはとても重要なことです。それができていなければまともな評価なんてできません。
そういうことを考えるきっかけになったらいいなーと思います。
芸術的なFSにおいての奇抜な技、大技、小技なんかについても考えがあるんですけど今回はとりあえずここまでで。







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